人生100年時代に有形資産よりも大切になる無形資産について解説!

人生100年時代を迎えた現代、老後資金2000万円問題が取り上げられましたようにお金の問題は重要です。

しかし現在の長寿化の流れの中で議論されている問題はお金に偏り過ぎています。

お金はもちろん大切ですが、リンダ・グラットン氏らの著書「LIFE SHIFT」の中でお金と同じくらいに大切とされているのが無形資産です。

無形資産と聞いて何を想像するでしょうか?

無形資産とは、その名の通り形のない資産です。

具体的には、知識やスキル、家族や友人関係、身体的や精神的な健康などが該当します。

無形資産はそれ自体の価値とともに、有形の資産形成を助けるという点において人生100年時代のキーとなります。

この記事では・・・

無形資産について解説します。
無形資産は、ただただ働いているだけでは得られない資産です。
人生100年時代を生きる現代の人々にとっては必見ですので、是非とも最後までご覧ください。

目次

結論

人生100年時代においては、

お金は重要だが、お金と同じくらいに

知識や健康、そして変化に対応して自分を変えていく力が大切になる!

有形資産とは貯蓄や家、土地などのお金で表すことができるもの

有形資産と無形資産を考える前にまずは「資産」について考えてみます。

「資産」と聞くとどんなことを想像するでしょうか?

簿記を学んだことのある方は、貸借対照表の借方(左側)に出てくる会社が保有する財産のことを考えるかもしれません。

リンダ・グラットン氏らの著書「LIFE SHIFT」において資産とは、「ある程度の期間にわたり恩恵を生み出せるもの」と定義されています。

資産とは・・・

ある程度の期間にわたり恩恵を生み出せるもの

資産は有形資産と無形資産に分けられます。

有形資産は資産の中でお金で表すことができるものになります。

言い換えると価値を測定することができるものです。

一方で、無形資産とはお金で換算することが難しい資産のことです。

例えば不動産であれば、住宅価格が○○万円ですとか、A社の株価は○○円といった形です。

住宅であれば、そこに住むことができるという恩恵を生み出せます。

株式であれば、配当を得るなどの恩恵を受けることができます。

また有形資産は売買することが可能です。

そのため、代わりを見つけることが比較的容易になります。

住宅を売って、違う場所に移り住むことや、株式を売って現金にすることは難しくありません。

人生100年時代を生きる上で、お金などの有形資産は必須です。

しかしここで大切なのは、有形資産だけがあればいいという訳ではないということです。

お金などの有形資産だけがあればいい訳ではない!

無形資産とはお金には換算することが難しい目には見えない資産

無形資産は、有形資産と異なりお金に換算することが難しい資産です。

こちらも言い換えると価値の測定(数値化)が極めて難しく目に見えない資産であると言えます。

人生100年時代を生きる我々にとっては、お金という有形資産と同じくらい無形資産が大切になってきます。

それは無形資産がそれ自体に価値があることに加えて、有形資産の形成にも大きく貢献し、長い人生の中で楽しく生きがいを持つために重要であるためです。

知識やスキルがなければキャリアを形成して働き、お金を稼ぐことが難しくなります。

また病気にかかってしまったり、家族関係が上手くいっていないと大きなストレスがかかります。

こうした無形資産は一朝一夕には築くことができず、当然ですがお金を払ったとしても手に入れることは困難です。

そのため、無形資産への投資は慎重かつ計画的に実施をする必要があります。

次に無形資産をさらに細分化して見てみましょう。

無形資産は大きく3つに分類されます。

  • 生産性資産
  • 活力資産
  • 変身資産

生産性資産とは主に仕事に役立つ知識やスキル

生産性資産とは、「仕事の生産性を高め、所得とキャリアの見通しを向上させるのに役立つ資産」と定義されています。

生産性資産とは・・・

仕事の生産性を高め、所得とキャリアの見通しを向上させるのに役立つ資産

3つある無形資産の中でもっともイメージしやすいものではないでしょうか。

具体的には、学生時代や働きながら身に付けた知識やスキルが該当します。

そして生産性資産は大きな金銭的な恩恵を与えてくれます。

つまり、年収はある程度学歴によって決まっています。

厚生労働省の「令和2年賃金構造基本統計調査」によりますと、学歴別の男性平均年収(全年齢)は

  • 大学院卒 465.2万円
  • 大卒 391.9万円
  • 高卒 295.0万円

となっています。

しかし日本では大学進学率は年々上昇しており、文部科学省の「令和2年学校基本調査」によりますと、大学進学率は58.6%となっています。

大学に進学すること自体は、今やまったく珍しくありません。

人生100年時代では18歳前後で大学へ進学し、一度にまとめて知識を身に付ける時代は終わるかもしれません。

それだけでは長い勤労人生を生き抜けるわけではないからです。

これからは長くなった人生の一部の時間を活用して大学院へ進学する社会人の方が増えてくると考えられます。
それは生産性資産を向上させ、労働市場において差別化するためです。

生涯を通じて新しい知識とスキルと獲得し続けることが一般的になると考えられています。

そうしないと生き抜いていくことが難しくなるためです。

ここからは私の個人的な経験にすぎませんが、私自身は生産性資産の向上のために資格の勉強であったり、スキル取得のためにセミナー参加などを毎年行っています。

近年ではYouTubeでさまざまなことを習うことができます。

その道の専門家の方々がわかりやすく説明してくれている動画が無料で見られますのでこれを使わない手はありません。

また大学院へ入り直したいとも思っています。

これはすぐに実現することは難しいですが、情報収集は進めていますので今後、まとめて記事にしたいと考えています。

活力資産とは健康や良好な家族、友人関係

次に活力資産とは、「私たちの人生に幸福感と充実感を与え、やる気をかき立て、前向きな気持ちにさせる資産」と定義されています。

活力資産とは・・・

私たちの人生に幸福感と充実感を与え、やる気をかき立て、前向きにな気持ちにさせる資産

この活力資産を維持するためには、第一に健康に注意することが大切です。

人生100年時代にはこれまで以上に健康の価値が大きくなります。

若くして体を壊して働けなるダメージは、寿命が70歳の時代よりも寿命100歳の時代の方が大きくなります。

不健康の代償は働けなくなるという経済的な面に加えて、ストレスなどの精神的な面にも影響します。

やりたいことやできることがどれだけあっても健康を損なっては元も子もありません。

また、家族や友人関係などの人的なつながりも大切です。

他の人と結びつきが強い人は、孤立している人と比べて活力があり、エネルギッシュで前向きな傾向が見られることが数々の調査によって明らかにされています。

学生時代の友人関係は、社会に出ると意識的に維持をしていかないと徐々に疎遠になってしまいます。

働いている多くの人は職場での人付き合いがほとんどではないでしょうか。

職場とは関係がない、地域や趣味のコミュニティに所属して人的ネットワークを構築しておくことが活力資産の向上につながります。

私の活力資産向上方法について簡単にご紹介します。

健康の維持としては3点気を付けています。

  • 歯を大切にする
    日々の歯磨きや年数回の定期的な診断を欠かさないようにしています。幼いころは虫歯がたくさんできその都度、治してもらっていました。痛いですし、言うまでもなく事前予防が大切です。
  • 毎日のウォーキング
    在宅勤務が増えて歩く機会が減っています。仕事や勉強の合間に10~15分の散歩を意識的に取り入れて1日10000歩以上歩くようにしています。
  • 筋トレとストレッチ
    筋トレは腕立て伏せとスクワットを毎日行っています。一時期腰痛に悩まされてからはストレッチも行うようになりました。

幸いにして健康診断で引っかかることもなく今に至っていますので、この習慣は今後も継続していきます。

変身資産とは変化に応じて自分を変えていく力

変身資産とは、「人生の途中で変化と新しいステージへの移行を成功させる意志と能力」と定義されています。

変身資産とは・・・

人生の途中で変化と新しいステージへの移行を成功させる意志と能力

人生100年時代において、多くの人には勤労期間が細切れになることが予想されています。

それは産業構造が変化し企業の寿命は低下しつつあるためです。

そうした時代の中では頻繁にスキルを学び直す機会や期間を設けることの必要性が高まります。

人間は誰しも変化をあまりしたくないものです。

心理学では「現状維持バイアス」と呼ばれます。

現状維持バイアスとは、変化や未知のものを避けて現状維持を望む心理作用のことです。

現状から未経験のものへの変化を「安定の損失」と認識し、現在の状況に固執してしまうというものです。

これはとてもよくわかります。

私自身は新卒で就職した企業に10年以上勤めており、転職は経験したことがありませんが、同じ企業内で別の部署へ異動するだけでも最初は大きなストレスと不安を感じました。

転職したり、職種を変えたりすることはより一層大変であることは容易に想像できます。

しかし現状に固執していては今後の長い人生を生き抜くことはどんどん難しくなっていくでしょう。

そのため、変身資産を育むために必要なこととして3点があげられています。

  • 自分に対する理解を深め、ありうる自己像を考えること
  • 多様性に富んだ新しい人的ネットワークを広げること
  • 新しい経験に対して開かれた姿勢を持つこと

言葉で言うことは簡単ですが、現実は難しいことです。

変身資産を高めることを意識して少しずつでも取り組んでいく必要があります。

まとめ

人生100年時代においては、有形資産であるお金は重要です。

ただ、無形資産である知識や健康、そして変化に対応して自分を変えていく力もより一層大切になります。

それを意識して日々の生活に少しずつ取り入れていくことを考えてみてください。

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