これまで働き方と言えば、教育⇒仕事⇒引退という3ステージで構成されていました。
高校や大学までは教育期間であり、就職して定年退職まで仕事に生き、退職後は悠々自適な余生を送る、こんな生活を想像していないでしょうか?
親世代の常識ではそれで十分でしたが、人生100年時代となる今後はこれでは不十分となってしまいます。
これからは多様な人生であるマルチステージとなり、ロールモデルがあまりなく、正解と言える働き方はありません。
1人ひとりが違った働き方や生き方を見出し、自分にとって理想的な人生を追い求めていくことになるのです。
その際に大切となるのが学び直しです。そして学び直しの重要度は今後ますます増加していくことになります。
多様な人生であるマルチステージについて解説します。
今後のキャリアを考えている方は、ぜひとも最後までご覧ください。
結論
人生100年時代では、
これまでの常識や親世代の働き方では通用しない。
生き方をシフトして、マルチステージの人生に対応するため、学び直しがますます重要になってくる!
従来の生き方は教育⇒仕事⇒引退の3ステージ

多くの方にとって人生とは、子どもの頃から高校や大学までの教育、就職して定年まで勤める仕事、退職後の引退の3つのステージで構成されていることにあまり疑問を感じていないと思います。
私の父も典型的な3ステージの人生を歩んできました。
いわゆる団塊の世代である父は、地元の国立高専を卒業後、東証一部上場メーカーに就職しました。
技術営業として、転勤を繰り返し管理職となり、役職定年後は子会社に出向しそこで定年を迎えました。定年後は母校である高専の非常勤講師をしたり、地元の自治会活動をしたりして余生を過ごしています。
典型的な昭和の仕事人間で、家のことは妻である私の母に任せっきりでした。
単身赴任もしていたため、家を空けていることが多かったです。
ただ、当時としては別に珍しいことでもなく子ども心に特段の疑問はありませんでした。

彼らの世代では、こうした3ステージの働き方が当たり前でしたし、十分に機能していました。
お金の面から考えても、国による公的年金と勤務先の企業年金、個人の蓄えで問題がありませんでした。
しかし人生100年時代を迎えた現代では、こうした3ステージの働き方では通用しなくなってきています。
人生100年時代では生き方をシフト(ライフシフト)する必要がある

人生100年時代では、多くの人が100歳まで生き、50~60年間ほど働くことになります。
より長く働くためには、これまでの働き方を変える必要があります。従来の3ステージの働き方では、大学を同じ年齢で卒業し、同じような年齢で結婚し、子どもを持って、そして昇進して引退するというような、ある程度の予測が可能な人生モデルがありました。
しかし、今後このモデルは成り立ちません。みんなが同じ時期に同じことをするといった一斉行進の時代は終わりました。これからの世界はマルチステージの人生に変わりつつあります。
1人ひとりが違った働き方や生き方を見出し、また人生のイベントの順序もそれぞれ違ってきます。

自分にとって理想的な人生を追い求めていくことになるのです。
これこそが、生き方のシフト=ライフシフトです。
多様な人生であるマルチステージとは

3ステージの人生に代わり、これから登場するのがマルチステージの人生です。
マルチステージの人生とは、社会に出てからは会社勤め、フリーランス、大学院などでの学び直し、副業や兼業、独立起業、ボランティア活動などのさまざまなステージを移行したり、並行して引退する、もしくは生涯現役であり続けるというモデルです。

企業の寿命は年々低下しており、2020年に倒産した企業の平均寿命は23年でした。
あくまでも平均ですが、例えば22歳の大学新卒者が就職すると、45歳のときに会社がなくなってしまうことになります。つまり現代では定年まで一社で勤め上げる方が珍しくなりつつあります。
2021年4月に「改正高年齢雇用安定法」が施行されました。これによって企業には70歳までの継続雇用が努力義務となっており、定年という概念も崩れつつあります。
公務員などの限られた仕事以外では、転職やフリーランス化、独立・起業が当たり前となっているということです。
会社勤めをしながら、学び直しを行って違う企業に転職したり、大学院に入って学位を取って違う職種になったり、独立起業したりする人がどんどん増えていくことでしょう。
さまざまなステージや選択肢を持つためは知識やスキルが欠かせません。そのためにも、学び直しの重要度がますます増加していくことになります。
まとめ

人生100年時代では、これまでの常識や親世代の働き方では通用しません。
生き方をシフトして、マルチステージの人生に対応するため、学び直しがますます重要になってきます。
団塊の世代とは:
終戦後の1947年~1949年に生まれた人たちを指した言葉。経済企画庁長官を務めた作家の堺屋太一氏が創作した小説名に由来している。
高専とは:
高等専門学校の略称のこと。中学卒業後に5年間の課程で主として工学系の実践的な教育を施す教育機関で、卒業者は短大卒と同じ資格を得られる。