「人生100年時代」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ここ数年、ニュースや新聞などで見聞きする機会が増えています。
長寿化がもたらす生き方や働き方の変化を描いた書籍「LIFE SHIFT」の著者であるリンダ・グラットン氏らが提唱した言葉。
100歳まで生きる時代が来ると聞いて、どう感じるでしょうか?
「これまでよりも長生きできるなんていい時代だ」
とポジティブに思うでしょうか?
それとも、
「ただでさえ老後は不安なのに、さらに長生きできてしまうとより不安だ」
とネガティブに思うでしょうか?
感じ方は人それぞれにですが、多くの人が100歳まで生きることができる時代が来ているという事実は変わりません。
そうした時代において、自分自身の人生をどのように組み立てるかが大切になってきているのです。
本当に100年も生きる時代がやってくるのか、そんな時代が来たらどう生きていけばいいのかについて解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
結論
人生100年時代とは、
多くの人が長生きをし、
50~60年もの長い期間働くことになる時代。
そんな時代を生き抜くためには、知識やスキルに投資をする必要あり!
長寿化はどんどん進んでいる

金さん銀さんをご存じでしょうか?
長寿の双子姉妹で、1990年代に姉妹で100歳を超え、テレビCMなどで人気となりました。
40代以上の方はご存じだと思います。今から30年ほど前は100歳の姉妹はとても珍しくニュースになるほどでした。
実際に30年前の1991年(平成3年)は100歳以上の人口は3625人でした。
ところが、2021年は86500人となっています。
下の図を見てもらえばわかりますように、ここ最近で急増しています。

長寿化はどんどん進んでいるということです。
平均寿命も見てみましょう。
30年前の日本人の平均寿命は、男性が76.11歳で女性が82.11歳でした。
2020年時点では、男性が81.64歳で女性が87.74歳となっています。

そして平均寿命は今後も延びていきます。
それは医療などのテクノロジーが今後もますます進展していくためです。私たちはその過程の真っただ中にいます。
実際に日本人の50%の方が到達しうる年齢は以下のように推定されています。
日本人の50%の方が到達しうる年齢
- 1957年生まれ:92~96歳
- 1967年生まれ:95~98歳
- 1977年生まれ:98~101歳
- 1987年生まれ:101~103歳
- 1997年生まれ:104~105歳
- 2007年生まれ:107歳
出典:LIFE SHIFT
今の40代以下の方々にとって、人生100年時代とは荒唐無稽な話ではなく、現実的な未来であるということがわかります。
健康に生きられる年数も延びている

多くの方々は平均寿命が延びていると言われても、健康に生きることができる年数が延びなければ意味がなく長生きしたいとは思わないかもしれません。
実際に日本では少子高齢化に伴う医療費の増大や認知症の方が増えているといった報道がなされています。
しかし、こうした見方には重要な視点が抜け落ちています。
それは、平均寿命の延びとともに健康寿命も延びているということです。
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。
2000年にWHO(世界保健機関)が提唱して以来、寿命を延ばすだけではなく健康に生活できる期間を延ばすかに関心が高まっています。
長寿化の流れの中で多くの方々が健康に生活することができる期間も延びています。


周囲にみえる年長者の方を想像してみてください。
子どもの頃に見ていた祖父母よりも、今の年長者の方々は元気ではつらつとされてみえませんか?
イメージだけではなく、実際に年長者の方々は増え、そして健康に年をとっているということなのです。
人生の時間が大きく増える=働く期間も長くなる

長寿化が進めば、人生における時間も当然ですが長くなります。
1日は24時間ですので、
- 1年では8760時間
- 10年では87600時間
そのため、
- 人生が80年であれば70万800時間
- 人生100年になれば87万6000時間
この増加する膨大な時間をどのように使えばいいのでしょうか?
人生100年時代に備えて、私たちは人生設計そのものを見直す必要があります。
一番大きな点は働く期間が変わるということです。
人生がそれほど長くなかった時代では、「教育⇒仕事⇒引退」という3つのステージの生き方で問題はありませんでした。
しかし長寿化によって2番目の仕事のステージの期間は長くなります。
なぜなら生きていく上で欠かすことができなお金の問題に直結するためです。
今後は仕事を引退する年齢が70~80歳になることが想定されています。
実際に日本では、2021年4月に「改正高年齢雇用安定法」が施行されました。
これによって企業には70歳までの継続雇用が努力義務となりました。
これは実質的に定年が消滅したということができます。
働く期間が50~60年時代!
その一方で技術や時代の変化は年々速くなっています。
一昔前には考えられなかった技術や仕事が現れています。今後も労働市場に存在する職種は大きく替わると考えられています。
少し古くなりますが、2014年にオックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が発表した論文によりますと、今ある仕事のうち20年後には47%がなくなると予想されています。
こんな時代を生き抜くためには手持ちの知識やスキルだけではなく、時間を確保して学び直しとスキルの再習得に投資をする必要があります。
これまでの常識や親世代の生き方の踏襲では、対応することができない時代に入りつつあります。
そのため、今から新しい行動を起こし、長寿化時代への適応を始める必要があります。
学び直しに遅すぎることはない

これからの時代は、多様なライフスタイルやライフステージの変化に応じた生き方や働き方が求められます。
2020年からは新型コロナウイルスの影響で在宅勤務が増えた方はその典型的な例でしょう。
その際もITリテラシーが高い方と低い方では対応の仕方がずいぶんと異なったと思います。
学校を卒業した後も、新たな知識やスキルを身につける学び直しは、生き方や働き方の選択肢を増やし、人生の幅を広げることにつながります。
学び直しに遅すぎるということはありません。
何歳になっても学び続けていくことは重要です。
例えば、昨年の司法試験合格者の方の最高齢は69歳です。この方のバックボーンはわかりませんが、何歳であっても学び、挑戦することは可能であると勇気づけられます。
まとめ

平均寿命と健康寿命は年々延びています。
今の40代以下の方々にとって人生100年時代は現実的な話になります。
人生100年時代では、働く期間が50~60年ほどになると考えられます。
そんな時代において、新たな知識やスキルを身につける学び直しは、生き方や働き方の選択肢を増やし、人生の幅を広げることになります。